【ネタバレ記事】ラストオブアス2は本当にあの結末で良かったのか?賛否あるシナリオを分析する

https://www.playstation.com/ja-jp/games/the-last-of-us-part-ii-ps4/#media

まず、ネタバレ記事です。クリアまでネタバレしていますので、まだクリアしていない人、今後プレイする可能性のある人はご了承ください。

ただ、様々な否定的レビュー内容から購入を躊躇っている方は読んでもいいかもしれません。何故ああいったレビューが出てくるのかも、多分一つの答えが出せると思います。

結局、このゲームに大事なのは「こうなったという結末」ではなくて、「プレイヤーがどう感じたか」というのが最も重要なので、正直シナリオのネタバレによるダメージって半分も行かないと思うんです。

それでも大ダメージなので、見ないでプレイすることに越したことはないのですが。

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というわけでここから開始。先日ようやくラストオブアス2をクリアした。

1はPS3の時にプラチナゲットしたか、その直前くらいまでプレイしたし、PS4のリマスターもプレイ、DLCも遊ぶくらい好きな作品。

で、早々にジョエルが殺され、その復讐のために旅立つエリー。

多分ここでプレイヤーは心をエリーと共にするはず。前作主人公で、エリーの良き父代わりとなっていて、ラストオブアスで見せてくれた二人の関係がすごく好きだった人からしたら、ポッと出てきたキャラに殺されるなんて論外なのは間違いない。

なので、エリーとプレイヤーは正当性というか、目的意識を持って復讐をしにいくわけだ。

で、進んでいく途中でプレイヤーは当然”敵”を倒して進んでいく。中盤に差し掛かるまでプレイヤーとエリーの中で”敵”は”敵”でしかなくて、そこで名前を呼び合っているNPCがいても、仲間の死体を見つけて悲しんでいる様子を見ても、基本的には「ざまみろ」というエリーの汎用台詞を思う位だと思う。

でもこれが中盤に差し掛かって、気持ちがだんだん変わってくる。友達を守ろうとする女性を殴り殺したエリーの表情、妊婦をも殺害して、ようやく我に返ったように歩みを緩めた矢先に、ジョエルを殺したアビーが現れエリーの友達を殺害する。

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そこで物語はアビーパートに代わり、今まで悪辣非道な最低最悪のゴリラ女、アビーの日常にフォーカスされる。

このパートを不要だという声は始まった直後ならとてもよくわかる。が、最後までプレイしても不要だったと言うのなら、それはあまりにもこのパートの価値を理解していないと思う。

だって、これがあることで「今までエリー(プレイヤー)が殺してきた敵に仲間がいた」ということを実感するし、その上アビーが「エリーと似た環境にある」人物だったことがわかる。

アビーの部屋を見ていると、内装にはオタクみたいなグッズが置いてある。

これはPS3でアンチャーテッドを遊んでいたマンガオタクのエリーの部屋と同じで、多分時代さえ違えば二人は仲良くなれたんだろうなというのが見えてくるのが辛い。

そしてアビーは色んな人に慕われて、仲間想いであることがだんだんわかってくる。そもそもジョエルを殺した理由も、エリーの復讐の理由よりもずっと重い。(なんせ世界を救うはずだった最愛の父を殺された娘であり、いわば全人類の敵討ちをしたのと同じ)

それにアビー自身も、ジョエルに対して行った私刑には思うところがあったし、後悔とまでは行かないものの、悩んでいる描写はあった。つまり根っからの悪人ではなかったことがわかってくる。

進めていく中で身を挺して子供たちを助けにいくし、結局最後まで仲間を見捨てることはしなかった。

率直に言って、ここまで見てきたプレイヤーがまだ「エリーは復讐を遂げるべきだ」と思うなら、それは少し視野が狭いのではないかと思う。

でも、そう思う人達を否定できないし、それが「普通の思考」なのかもしれない。だって作中の登場キャラ全員がその思考に支配されている。そこから一番最初に離脱出来るのはプレイヤーしかいない。でもプレイヤー=エリーの思考でいると、復讐を遂げるべきであるというのはわからないでもない。

ただ、その結果がどうなるのかはエリーとアビーの決戦の前に作中で示されている。

スカー対ウルフの総力戦のラストシーン
その後の無線を聞く限り、少なくてもウルフはほぼ壊滅、スカーは村もヘイブンも焼かれてほぼ何も残らないことに

だからこそ、ここまで見せてなお「エリーは復讐しろ!」という意見が出るのはあまりにも国際社会的で、このゲームの試した【リアルな人間描写】の延長として面白い。

結局、一度は幸せを享受しようとしたエリーも、復讐にとりつかれたトミー(ジョエルの弟)に呼び起こされて、再度復讐に旅立つ。

どちらかを滅ぼすまで終わらないのかという展開は、直前に上記画像で見せられている、少なくない人数は「もう行かないでいいじゃないの」と思うのではないかと感じた。

ただ、復讐についてはたくさんの作品で題材にされるが、他人の言葉で止まれるものじゃない。結局なんらかの決着をつけないといけない。

アビーはジョエルを殺して、エリーにも勝った。だから次の生活を探して旅に出るけど、結局イカれた集団に捕まってガリガリになるくらい大変な目にあった。

エリーは最後に弱ったアビーを見つけて、最後の復讐を遂げようとするけど、アビーはもう戦うのをやめて、アビー編で行動を共にすることになったレブを一緒に生きることを選んでいる。

でもエリーは止まらない。この時点でアビーはもう小さくない制裁を受けているはず。恋人だった人を殺され、妊婦の友達も殺され、イカレ集団に拉致されて数ヶ月も(おそらく奴隷として)生かされて、結局貼り付けにされて放置されて死ぬのを待っていた。

それだけの情報を知るのはプレイヤーだけで、ここに来てまだ「エリーは復讐を遂げるべきだ」となる人はどれくらいいたのだろう。

面白いのは、エリーの目の前でレブを助けにいくアビーの様子がかつてエリーを助けたジョエルと構図がシンクロしていることだ。

最後のシーンでエリーが殺そうとしているのは、かつてのジョエルにシンクロしている。

でもエリーは結局止まれず、二人の最終決戦になる。ステゴロ対決でも無くて、エリーはナイフ、アビーはプレイ時よりもずっと細くなって弱った素手。ナイフの防御でもダメージを食らっている描写が見ていてつらい。

結局エリーはアビーを水に鎮めようとするけど、最後の最後でジョエルの表情を思い出して復讐を留まった。

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私が信じられないのは、この展開に関して否定的な意見がそれなりに見られること。もしかしたらプレイしていない、リークされたストーリーラインだけを見て言っているのかも知れないけど、流石にここまで来てまだ復讐をしろというのであれば、やっぱり世界から戦争はなくならないなと本気で思う。

だってまず大前提として、エリーは根っこから悪人じゃない。あの場でアビーとレブを殺害すれば完全な復讐になって、その後の連鎖がつながらない、という意見も見られたけど、そもそもエリーが見ず知らずの子供を、敵と一緒にいたからという理由だけで殺すかと言われたら間違いなくノーでしょう。

でもレブを残してしまったら、間違いなくアビーの復讐に来る。

だから、一番苦しい選択をエリーは取ったんだと思う。もう最後の時点でアビーが何故ジョエルを殺したのかという理由は知っていたし、レブを守ろうとするアビーの姿には多分ジョエルを重ねたはずで、だから最後の最後で殺せるわけがない。

そして最後に、エリーは自分の場所で復讐の連鎖を止めた。

エリーは作中、ラストシーンの付近でジョエルとの思い出の回想の中で、こんな発言をしてる。

「一生許せないけど、許したいとは思う」

この回想を最後に持ってきたのは、まさにこの作品を表しているからだ。

だから私にとっては最良のラストシーンだったと思う。

それでも1が好きで、”間違っている”と思う人がいるなら、こうも考えてみてほしい。

ジョエルが1のラストで取った行動はそもそも”正解”だったのか。

エリーを助けるために世界を救う最後の医者を殺害して、世界すべての感染者を救う術を消し去ったジョエルは”正しかったのか”。

答えは間違いなく違うはずだけど、でも多くの人はあれで良かったと思ってるはず。だから2の動機に繋がってる。

それは答え自体が”正解”か”間違い”かで語られるべきものじゃないからで、もしその2つだけでこのゲームのラストを語ろうとするなら、それはあまりにも悲しいことだし、この作品の表面だけしか見えていないのではないかと思う。

でも、それもまた人間であるということをこのゲームは示しているから、本当に残酷で優しいゲームだと感じた。

ここまで文学的だと満点を付ける人は限界を超えて120点をつけたがるだろうし、同時に理解できない人は少ないだろうこともわかる。

もしこのゲームに否定的な意見を持ってこのレビューにたどり着いたのなら、もう一度エリーの「理解したい」という気持ちにまで、エリーとアビーにシンクロして遊んでもらいたいなと感じて、この記事を書いた。

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2件のフィードバック

  1. ふみたけ より:

    読ませて頂きました

    情報を入れずにプレイしていた身としては、評価が分かれてることに衝撃を受けました
    確かに暴力表現等は多いので、そこでの賛否両論かな?と思っていたのですが、蓋を開けてみると”アビーが嫌い”という意見で驚きました
    私はプレイ中どちらにも感情移入していて、エリー戦やアビー戦では躊躇いながらプレイしていましたし、特にアビー戦では出来ることなら攻撃ボタンを押すのを止めたかったくらいです
    そして最後のギター…
    これは間違いなく傑作だと思いました

    書かれている事、とても分かりましたし、参考にもなりました
    素晴らしい感想だと思います
    “正解”も”間違い”もないから考えさせられ、心が揺れ動く訳ですから
    もし、エリーの復讐を”正しい”と言うなら、アビーの復讐だって”正しい”訳で…
    なのに「アビーが嫌い」と言うのは不思議に思ってしまいます

    少し考えを書かせて頂くなら、月並みですが、ジョエルは復讐を望むだろうか?と思いました
    もし、エリーが殺されていたらジョエルは躊躇わずに復讐に向かうと思います
    ただ、ジョエルの視点で見ると、エリーに復讐させるだろうかと、死ぬ間際にエリーを見つめる目は「復讐しろ!」という目なんだろうか…
    そう考えてしまいました

    最後になりましたが、一つ失礼ながら訂正を
    『アビーの部屋を見ていると、内装にはオタクみたいなグッズが置いてある。』
    とありますが、恐らくそれはマニーの物ではないでしょうか?
    同室だと言っていますし、それぞれベッド付近が自分の空間だとすると、ダンベルやお父さんの写真を置いているのがアビーで、フィギュアやポスターを飾っているのがマニーかなと思いました
    間違っていたら申し訳ないです

    長文失礼いたしました

    • がらむまさら より:

      >>フィギュアやポスター
      あー! なるほど、その可能性ありますね、ちょっと今2周目プレイ中なので、早くアビー編行って再確認しないと。

      コメントありがとうございました。賛否の意見で否定派の方々の意見は「うーん」となるのですが、傑作だと考えてる方の意見は深く見ているなという方がやっぱり多くて、そういう意味でも人を選んでいるような気がしますw

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